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2006年7月24日 (月)

痛み

やっと今日、役所・銀行などへの届出などが一通り済んで、
明日から仕事に復帰するつもりです。

戸籍とか、結構面倒なことも多く、また、社会保○庁の担当者の
言動に思わず手が出そうになったりとか、いろいろありましたが、
とりあえずは落ち着けそうです。

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午前四時ごろ、yue少納言の苦しそうな声で目が覚めた。
肋骨の部分が痛いという。

すぐにナースコール。深夜にもかかわらず、すぐに担当のナースが
きてくれた。
症状を伝えると、とりあえずボルタレンで痛みが静まるかをみることに
なった。

ナースが帰った後、この数ヶ月間のいつものように、痛むところをさすり
続けた。
しばらくすると、薬の効果かどちらか、痛みが治まったようだった。

「今のはほんとに痛かった・・」とyue少納言。

「そういえば、まおたん生まれたときも、夜中に、ハアハア言いながら
背中さすってもらったよね」
「そのときと、どっちが痛かった?」

「もちろん、まおたんのときのほうがずっと痛かったよ。」

そういって、yue少納言は笑った。

「まおたんのこと・・」私が言いかけると、

「まおたんは大丈夫。私は、まおたんは何も心配してないよ。」

と、かみ締めるように、言った。 そして、

「yue少納言は、ほんとに幸せだよ・・」

この7ヶ月間、何度となく言い続けてくれた言葉。
ほかでもなく、私を一番幸せにしてくれた言葉。

この時が最後になった。

そして、yue少納言はまた眠りについた。

それから明け方まで、私は、その後も数回起きて
yue少納言の様子を見た。

まるで何事もないかのように、幸せそうな顔で眠り続けていた。

それは奇しくも、それから8時間後に見ることになる顔と
同じ顔だった。

朝8時前、うとうとしていた私は、ふとyue少納言の呼吸が
激しくなっていることに気づいて目が覚めた。

「苦しい・・・息が苦しい」うわごとのようにつぶやいている。
私はすぐにナースコールを入れた。

主治医から引継ぎを受けていた、担当医が来て、様子を見ると、
すぐにモルヒネの準備を始めた。
それと前後するように、yue少納言の母が病室に着いた。

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この話を書きながら、これがもう2週間も前のこと・・というのが
にわかに信じられません。本当に、数時間前のことのように、
はっきりと思い出されます。

きっと、この夜のことは、一生忘れられない記憶になるのでしょう。

でも、この記憶は、きっととてもよい思い出になると思っています。

今日も、読んで下さってありがとうございました。

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コメント

今でも泣けて泣けてしかたありません。でもそう、もう2週間になるんですね。私も信じられないです。ぱぱっちさんも明日からお仕事復帰されるのですね。だんだんと日常に戻られるのですね…。

「きっととてもよい記憶になる」
そう思われるなんて、本当にyue少納言さんとぱぱっちさんは素敵な方なんだな、って思います。

私も病気の事でつらい事があると、yue少納言さんの事を思い出し、泣いていないで笑って乗り切ろう、って思います。

投稿: よぎょ | 2006年7月24日 (月) 23時36分

yue少納言さん、あらためて、本当に素晴らしい方ですね。そして、ぱぱっちさんも。
わたしは癌と告知されてから、幾度となく、自分の最期のあり方について考えています。yue少納言さんの生き方は、わたしの中で何よりも大きな指標となっています。
役所の手続きなど、大変なばかりでなく、嫌な思いもなさったんですね。また、お仕事にも復帰されるとのこと。どうかご自愛ください。

投稿: すみ | 2006年7月24日 (月) 23時44分

もう2週間・・・直接お別れをしたわけでもないのですが、
本当にそんなに時間がたったと思っていませんでした。
まおたんのことを心配していないというのは、
まおたん自身の性格などもあったでしょうが、
きっとぱぱっちさんへの信頼の表れだったのでしょう。
激しい痛みの中でも、幸せだと言い切れるんですもんね。
お2人がお互いを幸せにし合ってきたのがよく伝わりました。
改めて、まおたんに「あなたのお母さんは素敵な女性だよ」
って伝えてあげたいですね。
いや、きっとわかってるでしょうね。

投稿: たんたん | 2006年7月25日 (火) 00時23分

私もその時は“ありがとう”と言って逝きたいな~と思っていましたが、“ほんとに幸せだよ”には家族への感謝の想いぎっしりつまっていますね。そんな思いで旅立ちたいです。

投稿: きゃんべる。 | 2006年7月25日 (火) 00時25分

ぱぱっちさんがさすってあげたからきっと痛みがよくなったんだよ〜!と私は思います。
人間の手からは色んなパワーが絶対出ている!
あたたかさももちろんあると思いますが、電磁波とか、細胞レベル…いや分子レベルの何か(アバウトでゴメンナサイ)とか、そして何より気持ちが出ている!
「手当て」って、そういうこと(語源?)なんですよね!ほんとに。
少納言さまを何ヵ月も癒して来たのは、ぱぱっちさんの“手”だったんですね。
またひとつお二人の絆の強さを知りました。
ぱぱっちさん、出勤前のお忙しいところ、エピソードを書いて下さって本当に有難うございました。

投稿: ebe | 2006年7月25日 (火) 00時49分

「まおたんは大丈夫」
yue少納言さんはそう言われたのですね。
母として幼い我が子を残して逝くことはどんなにか心残りだったことか・・
でもこんなふうに我が子を信じているyue少納言さん・・今までの深い愛情、母と子の信頼感がなくてはとてもいえないことです。
yue少納言さんは一人の人間としてまおたんと接してきたんでしょうね、きっと。
そしてぱぱっちさんがいてくれれば何も心配がないのでしょう・・
素晴らしい家族愛です。
まおたんもぱぱっちさんもきっと大丈夫。。
yue少納言さんの愛に包まれていますもの。。

ぱぱっちさん本当にありがとうございました。
今日からお仕事ですね。
「行ってらっしゃ~い!」

投稿: ミームラ | 2006年7月25日 (火) 06時16分

おはようございます。コメントありがとうございます。「鋭い感性」いえいえ。もしそうだとすると、yueさん、ぱぱっちさんの文章の力です。

きゃんべる。さん同様に、最期は「ありがとうございました」と青年担当医の手を握って迎えたいなぁと当人には伝えてあります。彼からは「大丈夫、はむうしさんは老衰で最期を迎えるから」とすかさず切り替えされましたが…。
はむ夫は、痛みや苦しみに弱くて、想像するに、そばにいない気がします。頭痛がすると言って寝ているだけで怒られるので。私は病気になってはいけないのだそうです(すごい論理です、本当に)。
はむうしは小心者で照れ屋であまのじゃくなので、「幸せだよ」は言えなくて、「楽しかったねぇ」という言葉を選ぶかもしれませぬ。

投稿: はむうし | 2006年7月25日 (火) 09時12分

お二人が最期にこんな晩を共有することができたのは、
決して偶然なんかじゃなく、
yue少納言さんとぱぱっちさんが、
これまで築いてこられたものの帰結だと思いました。
正面から病と向き合い、主体的に治療法を選択し、
主治医との関係を築き、身体のシグナルを見逃さず、
そしてどんな時も慈しみあい、二人の時間を大切にする。
そういう日常があったからこそ、
最期の晩をこんな風に過ごすことができたのだと思います。
人より短かったけれど、yue少納言さんは本当に幸せな、
素晴らしい人生を全うされたんだと思います。

ぱぱっちさん、仕事に復帰して日常が戻ってくると、
しばしば外面と内面のギャップが辛くなります。
悲しみは少しも変わらずそこにあるのに、
周囲は「もう大丈夫」「案外元気にしている」と思ってしまう。
お友達でも、ブログ仲間でもいい、
心を封印せずに悲しめる場を作って下さいね。
頑張りすぎて心と身体を壊されることのないよう、
願っております。

投稿: あつこ | 2006年7月25日 (火) 13時24分

ついこの間、八ヶ岳のアウトレットに行ったんですよ。
現地でyue少納言さんのことを思い出しました。
yue少納言さんが最後に拙blogにトラックバックしてくれたのが、2006年4月16日 (日)の八ヶ岳の日記でした。
リゾナーレに泊まってアウトレットやカントリーキッチンに行った時の楽しそうな日記を読み返すと、つい昨日のことみたいです。
神田の大イトザクラの写真を見ると、いまだにどうしても泣けてきます。
yue少納言さん、「また行くぞ〜!!」って書いてましたよね。
当分は、私がyue少納言さんの名代で行きますよ。
というか、一緒に行くつもりです。

ぱぱっちさんも仕事に復帰なさって、またいつもの日常が戻ってきますね。
当たり前のことかもしれませんが、誰がいなくなっても、誰が生まれても、そこにはいつもの日常があるだけなんだなと、散歩の途中で思ったものでした。
その日のことをTBさせていただきます。

投稿: yann | 2006年7月25日 (火) 14時32分

もう2週間になるのですね。早いですね。私はyue少納言さんとは、会ったこともないけど、何度もコメントのお返事を頂いて、ずっと前から友人だったような気がします。ほとんど毎日彼女の事を思います。でも、「幸せだよ」なんて言えるのは、素晴らしい事ですね。それと、私は同じ母親として、幼い子供を残していくyue少納言さんが、無念だったと思ってましたが、違ってたんですね。きっと、すごく愛情を注いでいたし、ぱぱっちがいるから大丈夫と思っているのでしょう。それに、まおたんの事を信じているのでしょう。yue少納言さんも早くにお父様を亡くしたけど、きっと、とても幸せに育ってきたのでしょう。だから、まおたんも大丈夫という自信があるのでしょう。きっと、まおたんも、yue少納言さんのような素敵な女性になることでしょうね。
ぱぱっちさんも、明日から仕事のようですが、お体には気をつけて下さい。

投稿: ハム | 2006年7月25日 (火) 18時26分

お帰りなさい。

仕事はもちろんのこと今日一日職場でも挨拶して疲れたでしょう。

ゆっくりとお休み下さい。

投稿: りん | 2006年7月25日 (火) 20時00分

こんばんは。
夫婦の絆ってすごいですね。(うるうる涙)
ぱぱっちさん、お体大切にして下さいね。

投稿: さかな | 2006年7月25日 (火) 21時23分

>よぎょさん
私はまだ大きな病気にかかっていないので、本当の「病気の苦しさ」はわかりません。ただ、「笑う」ことが免疫力を高めるだろうな・・ということはこの数ヶ月でとても強く感じました。笑うこと。まおたんは実にいい笑顔で毎日笑っています。私もできるだけ笑えるようにしたいと思っています。

>すみさん
最後を意識することは、生き方を意識することですよね。やっぱり、最後の「生き方」って、とても大事なのかな、と今回とても考えさせられました。

>たんたんさん
素敵な女性って、わかってるかな?何せ、まおたんは世界で一番かわいいのは自分だと思ってますからね(^^;)。どこからその自信がくるのやら・・。

>きゃんべる。さん
「ほんとに幸せだよ」というのも、本当に毎日のように繰り返された会話です。そうやってyue少納言は私への感謝を表してくれていたんですね。本当に幸せだったのは私のほうだと思ってます。

>ebeさん
ゾメタ痛のときも、その前の痺れのときも、とにかくさすれば何とかなる!みたいな変な確信があって。その前から、yue少納言はちょっと運動をすると筋肉痛に襲われる体質だったので、よくマッサージはしていたのでした・・。

>ミームラさん
「まおたんは大丈夫」というのは、ここ数週間、何度も夫婦で交わされた会話でした。お互いにそう言葉に出すことで、確認をしていたようなところがあるかもしれません。もちろん、今見ていても、大丈夫だと思ってますけどね。

>はむうしさん
私が言うのもなんですが、感謝って、照れくさくてなかなかいえないですよね。でも、言われたほうは本当に幸せなんですよ。ぜひ、だんなさんにも感謝の気持ち、言葉にしてあげてくださいね。言葉の力って大きいと思うんです。ほんとに。

>あつこさん
ギャップ、出てきそうです。自分の中でも、今、理性と感情がちょっと離れたところにいるのを感じます。そんなときに、皆さんにメッセージをいただけるのが本当にありがたいです。yue少納言が残してくれた最大の遺産ですね。

>yannさん
トラックバックありがとうございます。小淵沢は、まおたんとも、また行って見たいと思っています。本人はバリ島に行きたいと申しておりますが・・。
私も日常に戻りますが、以前の日常と違うのは、毎日の重さが少し重くなったことですね。日常・・ですけど、明日も、とても大事な一日がまた待ってます。

>ハムさん
心配はないけど、将来が見られないのは無念だったと思いますよ。楽しみにしてましたからね。yue少納言が私以上に大丈夫と確信していた理由は、ハムさんのおっしゃる通りかもしれません。まおたんにはまおたんらしく、素敵な女性になってほしいです。

>りんさん
職場はとても暖かく迎えてくれました。すべての人に感謝の毎日です。

>さかなさん
さかなさんのところの絆もとても強いと思いますよ。私たちはさかなさん夫婦にもぜひ一度お会いしたいな・・とよく話しておりました。

投稿: ぱぱっち | 2006年7月25日 (火) 23時36分

お仕事お疲れ様でした。
yue少納言さんが残してくれたブログという遺産にぱぱっちさんが癒されていただけたら、ここに集いyue少納言さんを偲びながら、まおたんやぱぱっちさんを応援する(こちらが励まされていますが)みんなもとっても嬉しいと思います。

いつか旅立ちを迎える日が来ますが、それまでに感謝の言葉はいっぱい伝えておきたいとあらためて思いました。

投稿: のほほん | 2006年7月26日 (水) 00時07分

なかなかコメントを残せませんでしたが、入院中も携帯から毎日お邪魔していました。やっと退院! ゆっくり拝読させていただきました。

もう2週間。
実は今日母親に、ブログの話からyue少納言さんのことを話したくなって一気に話したのですが、いつだったかなーって思って2週間経っていると気付いてびっくり。なんだか毎日考えているので、そんなに経っているとは思っていませんでした。

以前から感じていて最近のぱぱっちさんの投稿でさらに強く感じるのが「夫婦の絆」「家族の絆」です。
私は独身ですが、ここでそのときを迎えたら、一体誰に「ありがとう」「幸せだよ」と、実際にはいろいろな方に対して広く思っている言葉を言えるのか。一番誰に言いたいのか、誰に言うべきなのか。
うーむ。
実際に言えるのは、おそらく何でも話せる嫁いだ妹と主治医、言いたいのは彼、言うべきなのは両親。そんな変なことになってしまうんだろうなぁ。
(ここで自分の話を・・・スミマセン。)
全てが繋がる「絆」は素晴らしいものだと思います!

yue少納言さんは、本当に強い絆と愛情で結ばれたぱぱっちさんという存在があったからこそ、「ほんとに幸せだよ・・」という言葉を心から発することができて、そのことを伝えることがぱぱっちさんを一番幸せにしてくれることが分かっていたんでしょうね^^

それと・・・お仕事お疲れさまでした!

投稿: れひ | 2006年7月26日 (水) 00時55分

ぱぱっちさん、はじめまして。
色々なリンクをたどって、初めてこちらのブログに辿り着きました。
辿り着くのが少し遅かった・・・。
yue少納言さんとお話ができなくて残念です。

yue少納言さんのブログ、ぱぱっちさんの文面、みなさんのコメントを見て涙が止まりませんでした。

実は私も先月「乳がん」と診断され、すでに各リンパ節への転移が見られます。
自分も残り少ない命かもしれません。
昨日からきつい抗がん剤治療がはじまりました。

パソコンで自分の病気について色々調べているうちにこちらのブログにきました。
自分はブログは書かないと決めていましたが、こちらのブログを見て、書く決心がつきました。
yue少納言さんのように何かを残すということは大事だと思いました。

yue少納言さんとはお話できませんでしたが、
今後もぱぱっちさんのブログと、まおたんの成長を楽しみにしています。

これからもまおたんと一緒に頑張っていってください。
ずっと応援しています。

投稿: nyuu-nyuu | 2006年7月26日 (水) 15時14分

>「まおたんは大丈夫。私は、まおたんは何も心配してないよ。」

ぱぱっちさんを
本当に信頼し愛していたから言えた言葉でしょうね
ぱぱっちさんがいればまおたんはきっと
yue少納言さんのような素敵な女性に成長しますよ

投稿: hhitomii | 2006年7月26日 (水) 21時58分

>のほほんさん
病気があるなしにかかわらず、私たちはみんないつ旅立つかわからない・・それだけは一緒です。今できることは、今やろう。今、伝えられる言葉は、今伝えよう・・。私が妻から一番教えられたことです。とはいえ、本当に自分ができるのか・・難しいですけどね。

>れひさん
退院おめでとうございます!大切な人がたくさんいることはいいことですよね。
yue少納言の「私は幸せだよ」も、言う相手は私でした。が、私だけに向けられた言葉ではありません。きっと、私に言えばみんなに伝わる、そう信じてくれていたのだと思います。誰に伝えてもいいと思います。伝えることが大事かなと。

>nyuu-nyuuさん
大変な状況の中、ブログを始められたnyuu-nyuuさんに心から敬意を表します。また、きっとここでもたくさんの仲間、応援団ができることと思います。私も応援しています。ぜひ、ずっとずっと、長く続けてくださいね!

>hhitomiさん
本当にyue少納言のように成長されると、誰かにやるのが惜しくなるので・・。
いずれにしても、娘には、自分から人生を切り拓ける人になってほしいと思ってます。

投稿: ぱぱっち | 2006年7月27日 (木) 00時00分

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受信: 2006年7月25日 (火) 14時35分

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